システムエンジニア(SE)って残業が多くて、ブラックなイメージがあるけど本当?
エンジニア志望だけどやめたほうがいいかな?
こんな疑問をお持ちのあなたへ
現役SE(ジョブチェンジ予定ですが)が実体験をもとに現状をお伝えします。
結論からいうと、IT業界はもはやホワイト企業です。ただし、IT業界といっても幅が大きいので例外はいくらでもありうることには留意してください。
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従来のIT業界のイメージ
おそらく、本記事を開いた方はIT業界に対してこんなイメージをお持ちではないでしょうか?
- 労働時間が長い
- 障害が起きたら、夜中でも出勤
- システムのリリースのたびに休日出勤
確かに一部のSEは突発的なトラブル対応に追われることがあります。しかし、勤務時間外の労働には残業手当や振替休日が用意されているので、そこまでブラックといえるわけではありません。
後述しますが労働時間も減ってきています。エンジニアは人手不足なので、過酷な労働環境だと人が集まりません。なので企業も必死で働き方改革を進めています。
ブラックを通り越してホワイトに
上の表を見ていただければわかるように、SEの残業時間は働き方改革によって5,6年前と比較して半分近くまでに減少しています。
私の所属している会社では残業平均時間は10時間程度にまで減少しており、もはやホワイトになったといっても過言ではない状況になっています。
最近だとコロナの影響で在宅勤務が続いており、残業時間はゼロです。リモートワークと相性がいいのもこの業界の特徴ですね。
SESはブラックじゃないの?
エンジニアの就職先は自社開発の企業がいい!!という話をよく聞きます。その理由の一つに労務管理を自社で行えるので、残業時間をコントロールしやすくく過重労働になりにくいというものがあります。
その対極で、就職をおすすめしない企業にSES(システムエンジニアリングサービス)で稼いでいる企業がよくあげられます。
知らない人のために補足しておくとSESとはクライアント企業にエンジニアの労働力を提供する雇用契約のこと。SESで働くエンジニアは客先常駐することが多いです。派遣との違いはクライアント企業がエンジニアに直接指示が出せないということです。
SESは労務管理をSES提供元企業が行います。しかし、エンジニアはクライアント企業で働いているわけで離れた場所にいるSES提供元企業に大した管理はできません。結局、クライアント企業が直接エンジニアに指示は出すけど労務管理は知らんぷり、ということがまかり通っていたわけです。
これがブラックの温床といわれており、実際にそうでした。今でも変わっていない現場もあると思います。
しかし業界問わず働き方改革が促進されたので、クライアント企業の残業時間も著しく減少しました。
常識的に考えて、クライアント企業の社員が部外者のエンジニアを会社に残したまま帰宅することはしません。早く社員を帰したいクライアント企業はエンジニアも早い時間に会社から追い出すようになります。
となると、常駐しているエンジニアの残業時間はいやでも減りますね。SESエンジニアももはやブラックとはいえないといっていいでしょう。
企業によっては夜20時にオフィスを強制シャットアウトするところも出てきました。エンジニアを常駐させるようなクライアント企業は大手で労務管理をしっかりするところが多いです。
「案件ガチャ」と揶揄されることが多いSESですが、少なくとも当たりを引く可能性は数年前よりも格段に上がってきていると思います。
逆に自社開発のベンチャー企業のほうが危ないところもあるかもしれません。ベンチャーなので労務管理はしっかりしていませんし、潰れるかどうかの際どいところでやっている会社もあるでしょうから。まあ、まったり働きたいならベンチャーはそもそも向いていないと思いますが。
勤務時間外の勉強は??
でもエンジニアは常に勉強が必要だよね?業務時間外にたくさん勉強しないといけないなら、結局ホワイトではないのでは?
これはその人の職場や、やりたい事によって千差万別なのではっきりとした結論を出せません。
一般的に日本人は社会に出ると勉強しません。エンジニアもそうです。しかし、エンジニアのほうが他の職種よりも相対的に勉強している人の割合は高いです。
これは最新の技術を常にインプットしないと仕事がとれないからという人もいますし、技術自体が好きだからというケースもあります。一方で新人のときのOJTで一つの技術だけ身に着けて、そのあとは一切勉強せずに働いているエンジニアもいます。
以下はレバテックで落ちていた求人を拾ってきたのですが、必要スキルがSQLだけで月60万円の報酬です。SQLというのはデータベースを操作するための言語ですが、1週間勉強すれば基本的なことは習得できる程度のものです。(もちろん、実際に仕事を受注するためには実務経験が数年必要ですが)
つまり、大した技術がなくても現状仕事はあるので、エンジニアでまったりライフを過ごすこともできるわけです。プログラミングスクールに3か月通って、プロのエンジニア!!というのもあながち嘘とは言い切れないわけですね。
ただ、勉強しないエンジニアの給料は上がりません。アウトプットが変わらないので当たり前です。フリーランスで月60万円というのは正社員の年収400~500万くらいの価値だと思うのですが、それより稼ぎたい、社会に価値を生み出したいというならば勉強は必要です。
あと資格をとらないと昇進できない企業もあります。「基本情報処理技術者試験」というSE初級の資格があるのですが、私の社内にはこれをとらないせいで新卒レベルの給料のままの10年選手エンジニアもいます。
例外ですが、技術力以外の能力を延ばして稼ぐパターンもあります。簡単にいうとコミュニケーション能力やマネジメント系です。顧客のニーズをうまく汲み取れる人や、人を管理する力がある人は机上の勉強をしなくても、給料は上がっていきますね。しかも、技術一筋のエンジニアより高給取りになるケースが多いです。
意識低い系の人は勉強しないでも給料くれる会社を頑張って探しましょう。
ブラック企業を避けるためには(労働時間の視点で)
ブラック企業回避のためのポイントをお伝えします。ただ、これは労働時間のみの視点で書いています。スキルアップ云々の別の要素は考慮していないのでご注意ください。
裁量労働制を避ける
簡単に言うと「いくら働いても、残業代出さないよ」というところは注意が必要です(みなし残業もそうです)。定額働かせ放題、というやつですね。特にSESや派遣で裁量労働制なんて、ろくでもないです。
SESはエンジニアに働き方の裁量ないですから。裁量ないのに裁量労働制とはロジックが破綻しています。
もしも裁量労働制やっている企業に関心がある場合は以下の点をチェックしてください。
- 給料が十分に高い(残業することが考慮されている or 時間より成果が求められる高位職である)
- 仕事に裁量がある。自分で仕事量をコントロールできる。
私の職場も裁量労働制ですが、上記二つはクリアしています。昼11時に会社に来て夕方4時に帰ることもできます。給料も平均より高いです。求められるのは成果だけです。
残業時間・離職率を確認する
直接聞いてしまうのが一番です。月平均30時間を超えるところは危険です。平均でそれなので、炎上案件にぶつかると月60時間とかざらです。
上場企業を選ぶ
上場企業はコンプライアンスがしっかりしています。外部からの目が厳しいので。10年前はブラックだった企業も今は大体漂白(?)されています。
例えば「富士ソフト」や「TIS」など独立系SIerはSESや派遣業務が多くておすすめしない人が多いです。しかし、曲がりなりにも厳しいコンプライアンス基準を満たした上場企業。労働時間という視点でみると案外狙い目だと思います。
上場企業といえども、SESは人を派遣できれば誰でもいいので採用基準はそこまで高くないです。流石に中途未経験だと厳しいかもですが、それでもアピール次第で入り込む余地がある気がします。
ついでに「上場企業の社員」という社会的ステータスも案外馬鹿にできません。
まとめ
そこそこの給料でいいなら、システムエンジニアはきつくないです。まったりライフも可能です。
ただし、地雷企業もあるので転職の際には十分に調査するようにしましょう。
以上です。
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