SESからエンジニア転職することは全然可能

キャリア・転職

SESで客先常駐エンジニアだけど、転職したい。
失敗しないで転職する方法ないかな。

こんなお悩みを持っているあなたへ。

本記事ではSES企業から転職する方法をお伝えいたします。

SESでのお仕事は将来のスキルアップにつながらない業務が多く、薄給です。

ITエンジニアは慢性的に人手不足なので、SESからの転職は可能だと考えています。しかし、SESの中にいる間はそうしたこともなかなかわからないですよね?

本記事を読めば、SESから転職する方法がわかります

ちなみに転職先はIT系を想定しています。看護士とか警備員とか全然違う分野への転職は想定していないのでご了承ください。

SESから転職する方法:結論

SESから転職する方法は以下の通りです。ロジックとしては超単純です。

  1. 自分の希望条件となりたい職種を決める
  2. 転職戦略を立てる
  3. 転職戦略を実行する
  4. 転職する

これだけです。

この記事の信憑性について

本ブログの著者は26歳まで文系の学生ニートでしたが、未経験のSEとして就職しました。この最初の会社がSESでした。その後1年務めたあと、一部上場のIT企業に転職。ここもSESでした(笑)

民間のデータサイエンス系スクールに通学し、現在は年収を大きく上げて更に別企業へ転職予定ですがここはSESではありません。波あり谷ありでしたがSESから脱出成功しているので、信憑性のあることを話せるのではないかと思います。

「超単純です」と書きましたが楽とは言ってない

ロジックは簡単なのですが、きついです。転職の精神的負荷って半端ないですから。それでも、本記事に書いてあることをヒントに取り組めば、SESを脱出できるはずなのでぜひチャレンジしてみてください。

自分の希望条件となりたい職種を決める

 
最初に考えるべきは、SESの次は何をやりたいの??ということです。

なぜなら、何でもいいから脱出したい!!という気持ちが先行しすぎると、結局次の転職先でも新しい不満が生まれて幸せなキャリアを歩めないからです。

目標設定と同じでまずは自分の中のゴールを決めましょう。ゴールの決め方はひとそれぞれですが、ヒントを以下に書いていきます。

自分の中の希望条件を明確にする

まず、自分の中の希望条件を明確にしてください。そして、それを紙などに書いて言語化してください。年収、勤務時間、職種、勤務場所、福利厚生などなど。

これは自分の理想の状態で構いません・・・が年収1億円とか宇宙旅行行きたいとか、現状から離れすぎると戦略が立てにくくなるのでほどほどに。目標さえ決めれば、あとはそれに向けてどう動けばいいか考えるだけになります。

希望の条件を書いたら、その中で自分が叶えたい希望の優先順位をつけておいてください。

自分の希望職種を決める(現在の業務に近い分野がベター)

希望条件を決めたら、それをかなえられる職種はなにか考えましょう。例えば、年収1000万円が欲しいならば、WEB開発エンジニアではなくコンサル系の会社にいったほうがいい、とかそういう感じです。

転職先の職種を選ぶ時のポイントですが、自分の現在の業務に近い職種のほうが転職は容易になります

例えば、銀行システムを保守運用しているCobolエンジニアがいきなりWEBエンジニアに転職するのは難しいですが、金融を専門とするITコンサルタントへの転職であれば、難易度が下がります。(かつ給料も上がります)

職種に強いこだわりがない限りは、自分の専門領域に隣接する分野でのキャリアアップを狙うのが吉です。

ちなみに本記事では便宜上「希望職種」としましたが、「希望職位」でもいいですし、「希望企業」に置き換えて考えていただいても大丈夫です。個人の状況によってここに入る言葉は変わってくるかと思います。

転職サイトに登録する

「リクナビNEXT」「ビズリーチ」などの転職サイトに登録しましょう。すると、今の自分が転職できる可能性のある求人を山ほどもらえます。

大体、SES系の求人ばかりもらってがっかりするのですが、時々、思わぬ掘り出し物があったりします。

これは私の例ですが、元々ITコンサルへの転職を目指していたところ、ビズリーチからきた求人に「こんな会社あるの??給料高いし、今のスキルで行けるじゃん!!」みたいなことがありました。これが今度の私の転職先です。

自分のスキルの生かし方というのは、意外にわかっていないものです。転職サイトを通じて、アンテナを張っておきましょう。

転職戦略を立てる

希望する職種が決まったら転職戦略を立てます。本記事でいう転職戦略とは転職するために不足している業務経験をどうやって集めるか、というものです。

不足しているスキルを洗い出す

希望職種の求人票をいくつか拾ってきて【必要条件】を見てください。

引用元:https://jp.indeed.com/%E6%B1%82%E4%BA%BA?q=WEB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2&l&vjk=fab728b2737f2fcb

赤枠部分にその職種に必要なスキルが書いてあります。ここから、今の自分に足りない業務経験を洗い出します。

上記の例だったら、自分に足りないのは「SPA」と「docker」の業務経験だな、みたいな感じで探していきましょう。重要なのは実務での業務経験です独学やスクールで得たスキルはおまけ程度と思ったほうがいいです。

不足している業務経験をどうやって獲得するか(=転職戦略)を考える

次に不足している業務経験をどうやって獲得するか考えましょう。一番簡単なのは社内異動をお願いすることです。「Java」が必要なら「Java」の案件を担当すればいいですし、「AI」をやりたいなら「AI」担当の部署に異動をお願いしましょう。

多くの企業は自分のやりたい仕事を能動的にアピールする社員には好意的ですから、成功する可能性は割と高めです。

もしも会社が異動させてくれない or 所属している会社に希望する案件がなかった場合は、

  • 副業で経験する
  • いきなり希望職種に転職しないで、それに近いことができる企業へ転職する
  • 他に自分の希望条件をかなえられる職種がないか検討する

などを考えましょう。

不足しているスキルを補えれば、あとは転職するだけです。

大切なのは、転職戦略を最初に立てること。もちろん、思惑通りに進まないこともありますが、仮であっても道筋を自分の中で立てておくことは重要です。

転職エージェントに登録する

  1. 希望条件を決めて、
  2. 転職戦略を立てたら、

転職エージェントに登録します。ここで転職エージェントを使う理由は現在のあなたの立ち位置や前作業でたてた転職戦略の妥当性を確認するためです。

「転職エージェント」と「転職サイト」の違いを一応説明すると、

  • 「転職エージェント」 →
    担当のエージェントがついて、求人の紹介や応募企業との調整をやってくれます。キャリア相談もあり。
  • 「転職サイト」 →
    求人は紹介してくれるけど、担当のエージェントはつきません。

という違いがあります。

エージェントは転職のプロなので、あなたの市場価値がわかります。また、あなたの立てた転職戦略が正しいものかも確認してくれます。

場合によっては、近道を教えてくれるかもしれません。例えば

  • ポテンシャル採用枠があった
  • 違う職種で希望条件をかなえられるものがある
  • 転職後の社内異動で希望職種に就ける可能性がある

といったケースです。すぐに転職できるならそれに越したことはないですね。

IT業界は人手不足なので、この段階で職が見つかってしまうケースも往々にしてありうると思います。

転職エージェントを使う上での注意

繰り返しになりますが転職エージェントには必ずあなたの中の希望条件をはっきりさせ、②転職戦略を立ててから会ってください

①をやらないと、転職エージェントはあなたに何をしてあげたらよいかわかりません。

②をやらなくても、転職エージェントが代わりに何か提案してくれるかもしれませんが、大事なところが完全に人任せになってしまいます。(彼らはあくまでサポート役であることを忘れずに)

また、自分の軸が定まっていないと悪意のあるエージェントの口車にのせられて望まぬ転職をさせられる可能性もあります。

なぜなら彼らは「あなたを転職させること」が仕事だからです。どんな企業でも転職させてさえしまえば、エージェントの実績となります。親身なエージェントもいますが、彼らもノルマがあるので注意は必要です。

どんな転職エージェント選べばいいか、一つだけご紹介

最近の転職ブームで多くの転職エージェントが立ち上がっており、正直どれを選べばいいかわからないと思います。

そこで今回は一つだけご紹介いたします。

「PRO人」というIT専門の転職エージェントです。(首都圏向けなのエージェントなので、地方在住の方はすみません)

「PRO人」の特徴は

  1. キャリアアドバイザー一人当たりの担当上限が10名
  2. IT専門
  3. エージェントが全員IT業界出身

といったものがあげられます。

この中で私が重視しているのは①です。よく転職関連記事で紹介される「リクルート」や「Doda」などの大手は転職エージェント一人が100人~200人の求職者を担当していることがあり、一人ひとりをじっくり見るということはできません。

対して「PRO人」のような小~中規模の転職エージェントは一人ひとりをしっかり見ていくスタンスです。

長期的なキャリアプランの相談に乗ってくれることも多く、IT業界にも特化しているため、今後のエンジニアとしてのキャリアの相談相手として頼もしいパートナーとなってくれます。

引用元:「PRO人」公式サイトより

上記の通り、公式でも長期視点でのキャリア相談も歓迎すると唱っています。こうした親身になってくれるエージェントをうまく探し出して話を聞いてもらいましょう。

※転職エージェントの利用に費用は一切かかりません

フリーランス求人には要注意

SESされてるエンジニアはスキルが十分でなく、フリーとして独り立ちするには不安が残るケースがあります。自分の技術をまだまだ伸ばしていきたい、新しい分野にチャレンジしたい、というマインドの方はフリーランスは避けましょう。

近年、以下のような高額報酬の求人をニンジンにしてフリーランスになることを煽る情報が散見されます。

引用元:https://freelance.levtech.jp/project/search/?sip=o075000_029

私も転職やプログラミングスクール系の記事を書くブロガーなので、フリーランスを勧める記事を書くこともありますが、安易にフリーになることには反対です。

なぜなら、会社サポートが受けられないデメリットはけっこう大きいからです。

  • 自分のできる案件にしかアサインできない(成長・チャレンジするのが難しくなる)
  • 本当にコアな業務は社員が担当し、任せてもらえない
  • 不況時に真っ先に切られる対象になる
  • 福利厚生がなくなる

思いつくだけでこれだけあげられます。成功している人がいるのは否定しませんが、少なくとも一つの分野でスペシャリストを名乗れるレベルになるまではやめたほうがいいです。

転職戦略を実行する

転職エージェントに相談した時点で、すぐに転職ができたならばそれでおしまいです。

しかしそうならなかった場合、あなたの力はまだ足りません。前作業でたてた転職戦略に沿って、業務経験をかき集めましょう。数年かかるかもしれませんが、ここは辛抱です。

必要な業務経験を得られる社内案件を担当できないか上司に相談し、それが無理なら副業を検討し、必要に応じて信頼できる転職エージェントに相談しながら、転職の準備を進めていきます。

実行フェイズで語れることは多くありませんが、いくつか注意点があります。

業務の幅を広げられそうなチャンスは徹底的に生かす

既存の業務をこなすことだけに甘んじず、業務の幅を広げられそうなチャンスは徹底的に生かしましょう

例えば、新しい技術に触れたり、部下をマネジメントできる機会があれば恐れずにチャレンジしてください。

一度経験してしまえば、経歴書にもかけるのでそれだけで転職の幅が広がります。

私の例で恐縮ですが、運用保守を担当していた時に、自ら手をあげてRPAを使ったユーザーの業務効率化案件に参画しました。わからないことだらけで大変だったのですが、のちの転職活動で評価されてRPAエンジニアやDXによる業務効率化の求人が多数寄せられました

こういうこともあるので、転職のネタになりそうなものはいつでも飛びつけるように心の準備をしておきましょう。

資格は取る。でも、転職時期を後回しにするくらいなら要らない

希望職種に関連する資格はどんどん取っていきましょう。業務経験と合わされば、プライベートでも勉強している真面目なエンジニアという印象を与えられます。業務経験なし・資格onlyでも努力していることは見えるので無駄ではありません。

ただし、資格勉強を理由に転職時期を後回しにするのはやめましょう。資格にそこまでの価値はありません。むしろ年齢を重ねることのデメリットのほうが強いです。

ちなみに私も資格を多数持っています。持っている中で最も難易度が高いのはIPAの高度資格であるDBスペシャリストでしょうか(基本情報とか応用情報とかの上位資格です)。

DBスペシャリストを持っている、というだけで企業のスカウトが来たことがありますが、大半の企業では面接時に資格のことには言及されません。でも5社に1社くらいはとても評価してくれます。結論、資格に効果はありますが、効果があるのはたまにです。

(え?基本情報処理もとっていない??流石にそれはちょっとなあ・・・・)

転職する

おめでとうございます。あなたは十分に業務経験を積み、次のステップに行くにふさわしいエンジニアに成長しました。あとは実際に応募して転職するだけです。

なお、完全にスキルを満たしていなくても採用されることはありますので、求人情報のアンテナは常に張っておきましょう。

転職する際にもエージェントの選び方や志望動機の考え方など色々気を付けることはあります。ですが、それ系の情報はネット上にいやというほど溢れているので、本記事では触れません。気が向けば書くかもしれませんが。

以上です。