転職がうまくいかない原因5点

キャリア・転職

こんにちは、もきです。

せっかく転職しても、「こんなつもりじゃなかった」と後悔する人は後を絶ちません。迷いに迷って選んだ企業のはずなのになぜこんなことになるでしょう?転職先の企業を選ぶうえで注意すべき点を5つお伝えします。

ちなみに私は2回転職してます(執筆時点では2回目の転職は内定もらっただけで、まだ入社してないので厳密には正しくありませんが)。年収は2回とも100万以上上げています。

こんな人におすすめ

・現在転職すべき悩んでいる
・内定を複数もらったが、どちらにすればよいかわからない
・職選びの基準がわからない

好きを仕事にする

好きな仕事

「好きなことを仕事にすればいい」という言葉をよくききます。意識高めな経営者層のコメントに多い気がします。そのせいか説得力があるフレーズに感じますが、必ずしも志望の動機として正しくないケースがあります。

私が思うに、仕事に対する好きというのは2種類あります。

① 実際に仕事で経験して好きになった仕事

② 趣味や思い込みで好きになった仕事

①は大丈夫です。実際に経験したうえで「好き」だと自覚してるのだから、アンマッチは考えにくい。
しかし、②は危険です。特に新卒学生や異業界・異業種に転職する場合に多いケースかと思います。

仕事というのは人間関係や雑事など、本筋の部分ではないところが大半を占めます。例えば、データ分析の仕事であれば、分析よりもデータの準備や前処理の工程に9割が割かれます。「好き」だけで仕事を選んでしまうと、そのほかの「好きではない」部分に理想とのギャップを感じてしまって、アンマッチにつながりやすいです。

ミシガン州立大学の研究によると、「給料が安くても満足できる仕事をしたい」という人より「そんなに仕事は楽しくなくてもいいけど給料は欲しい」と答えた人のほうが幸福度・年収・キャリアのレベルが高かったそうです。

つまり仕事に対してはある程度割り切ってしまっている人のほうが結果を残しやすいということですね。なので、仕事の好き嫌いについては「嫌い」ではない、「苦痛にならない」程度のレベルで満足ぐらいが丁度良いと思います。

給料の多さで選ぶ

給料

その人のキャリアレベルによりけりです。ただ、この理由だけで転職することは避けたほうがいいでしょう。

年収と幸福度の関係はいろんなところで記事になっていて、例えば以下のサイトで詳しいです。

全角度調査 「年収900万円=最大幸福」説は本当か?

要するに年収が高くても必ずしも幸せでないということが書かれているのですが、実際は年収800万円くらいまではそれなりに幸福度は上昇していくようです。つまり、800万以下の年収の人は給料の多寡で選ぶことは間違っていないと考えます。

ただ、年収が平均値から上位10%に上がるよりも、仲のよいパートナーと結婚したほうが幸福度が767%上昇するという研究もあります。なので、給料が上がっても恋人や家族と過ごす時間が減るようならば良い転職とは言えないかもしれません。

大切なのは目先のお金に飛びつかず、ほかの要素も考慮して企業を選択することです。実際には内定を得るだけで一苦労なので、高い金額を提示されたら飛びついてしまうのですがそこをぐっと抑えて冷静になることが大切です。

ここまでいってなんですが、私はお金が大好きなので転職目的は給料をあげたいというのが一番でした。お金大好き人間は綺麗ごとをいってもお金の執念からは逃れられないのですが、やはりお金だけを目的に転職活動をしていたときはうまくいきませんでした。面接官に見抜かれます。

どんなキャリアを歩んでどんなライフスタイルを過ごしたいのか、お金以外の要素も併行して考えていくことが大切ですね。

通勤時間が長い

満員電車

通勤時間の長さは幸福度に直結する要素です。自宅から遠い企業は極力避けるようにするべきです。

経済学者のブルーノ・フライの論文によれば「長時間の通勤がもたらすストレスの高さは年収が40%アップしないと割に合わない」との結論です。これは恐ろしいことでなんと

短時間の通勤 + 年収500万円 = 長時間の通勤 + 年収700万円

という等式が成り立ちます。これが年収800万円以上だと年収アップによる幸福度は逓減するので更に上積みが必要となることにも留意ください。金をケチらずに職場に近い場所に自宅を構えることがどれだけ重要かわかるというものです。

ちなみに私の通勤時間は90分程度です。代わりに妻の職場が自転車で5分程度なのでやむを得ないのですが、1日3時間が移動だけで削られるのはつらいです。通勤場所と自宅の距離は極力妥協しないようにしましょう。

仕事の裁量を軽視する

不自由

転職先の会社を選ぶ際に以下の点は必ずチェックしたほうがいいでしょう。

・作業を実行するスケジュールを好きに設定できる
・タスクの内容を好きなように選ぶことができる
・リモートワークやフレックスタイム制が導入されている

もちろん、日本企業で全てを叶えるのは難しいところはありますが、こうした「自由」というのは仕事の幸せを左右する2番目の要素だと私は思っています(1番は人間関係)。

ロンドン大学が行ったリサーチによると

・煙草を吸うけど、会社内の自由度が大きい
・煙草は吸わないが、会社内の自由度が小さい

だと、煙草は吸わないが、会社内の自由度が小さい、のほうが体調を悪化させ慢性病にかかる確率が高い傾向にあったそうです。要するによき「裁量」によるポジティブな効果は「煙草」によるネガティブな効果を上回るということが言えます。

作業の裁量の有無や、リモートワーク・フレックスタイム制が導入されているかは必ずご確認ください。

自分と似ている人間が社内にいない

似ている人

つまり、友達が作れそうかどうか確認してください。面接官の雰囲気だけでも合う合わないは感じられると思います。いやな上司のもとで働く従業員は心臓発作や脳卒中で死ぬリスクは60%高くなるそうです。

仕事内容や給料で目がくらみがちですが、心理学者アルフレッド・アドラー曰く「人の悩みの9割は人間関係」です。どんなに仕事に自由があっても給料が良くても人間関係が壊滅すると、自分の心身も壊滅して元も子もないので、これだけは気を付けてください。

ちなみにやり方としては2点あると思っていて

1.1次面接(現場のリーダー・マネージャークラス)の面接官と性格があいそうか
2.炎上プロジェクトや残業は少ないか?(あと離職率も)

をチェックするといいと思います。1点目はその面接官が上司になる可能性が高いため。2点目は余裕のない職場は人間関係がぎすぎすしていることが多いためです。ワークライフバランスという意味でも、大事ですね。

参考資料

本記事を書くにあたって以下の書籍を参考にしました。小手先の転職テクニックがネットに蔓延する中、科学的・客観的に職場を評価する指針が書かれており大変参考になります。今の転職志望先や現職の会社を適切に評価する意思決定ツールも紹介されていますので、興味があれば購入してみてください。面白いです。

科学的な適職